最接近するまでスイッチを押せない特殊検査
先日毎年恒例となっている網膜色素変性症の、受給者資格証更新の
ための特殊検査を受診して来ました。
幸いにして今のところ、失明や視力喪失の可能性の急激な拡大が
ないせいか、担当の眼科医も忙しさも相俟ってでしょうか、「変わり
ないでしょう?」と診察室に入るなりの極めて明るい挨拶から始まり
ました。
診察の前にお決まりの視力検査や眼圧検査を受けており、続いて視野
の範囲を調べる検査も済ませていました。
眼科検診といえば色変の患者さんにはお馴染みの散瞳薬を点眼されて
おりますので、いつもは点眼前には仄暗く感じる待合室がまるでショ
ーのステージのようにきらびやかに輝いて見えるはずですが、昨今の
大震災の影響に因る節電のせいかいつも程は眩しく感じない日でした。
検査がある度に症状が進行していないことを祈るような気持ちで臨ん
でいるのですが、眩しく感じなかったり明るく感じなかったり、何時
もと見え方がちょっとでも違って見えますと、病気が病気だけに一抹
の不安が過ぎるものです。
視野の範囲を調べる検査はスコープのような機械を片目ずつ覗いて、
真ん中の点を見つめていて、近付いてくる光の点が見えたところで
スイッチを押すというものです。
最初は視力補正をしないまま検査しますので、いきおい反応は遅く
なってしまいます。
私の場合は右目が特に視力も弱いために、ほとんど裸眼では真ん中に
最接近するまでスイッチを押せないことがほとんどです。
ふたつ返事で3ヶ月分のアダプチノールの処方をお願い
通院している病院が総合病院で且つ地域の基幹病院、さらにどんな
患者も受け入れる第三次救命救急機関ともなっていますので、外来
でも患者さんの数が半端ではありません。
従いましてよくいわれる待ち時間3時間診察3分を地で行く感じなの
ですが、こればっかりは文句を言っても始まりませんね。
でも中には看護師さんや担当の医師に感情を剥き出しにして、怒って
いる患者さんもちょくちょく見かけます。
網膜色素変性症の診断を受けてから3年を経過しましたが、初めて
医師から薬を飲んでみるか、と尋ねられました。
色変患者にはお馴染みにして唯一の薬であるアダプチノールでした。
これまで一度も薬のことを聴かれたとがありませんでしたので、ひょ
っとしたら症状が進行したのではないか、或いは知らなかった劇的な
効果をもたらす新薬が臨床の段階に入ったのか、という二点を瞬時に
想像しました。
が、どちらも外れで、効果はさほど期待出来ないかも知れないが、一
度服用してみますか、というお尋ねでした。
当然飲んだ経験はなくてもアダプチノールのことはこれまでにも色々
と知る機会はありました。
およそ患者さんの体験談をブログなどで拝見しますと、驚くような
改善効果は期待できない、気休め程度という言葉を多く見かけてお
りました。
それでも服用できるものなら飲んでみたい、ひょっとしたら何か症状
の改善に繋がるかも知れない、と思うものです。
ふたつ返事で3ヶ月分のアダプチノールの処方をお願いしました。
いよいよ私の網膜色素変性症も薬とのお付き合いが開始されたのです。




