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花をめでるこころ

人間何が幸いするかは分からない


脳梗塞を発病して入院という事態になるまで、おそろしいことに
健康への過信がありました。
病院なぞ一生入院なんかはしない、と勝手に決め付けていましたし、
お見舞いには幾たびも訪れていた病院も人ごとだったんですね。


いきなりの救急搬送と入院は私にとって大きなカルチャーショック
でもあり、色んな視点の転換をももたらすものでした。


中でもこのブログのテーマである網膜色素変性症の発症を知った
ことは最大の「発見」?でしたが、同時に生命について深く考える
機会を与えてくれたことにも感謝しなければいけないと思っています。


自身の寿命や生命としての脆さや儚さを悟った、といいますと多少
宗教くさくなってしまいますが、平たく言えば死ぬことなど考えも
しなかった人間にも、あらためて考えるチャンスをくれたような感じ
でしょうか。


入院生活はこれまで食べず嫌いだった食品もいやおうなく食べさせて
くれる絶好の?チャンスでもあります。
私は病院で長らく口にしなかった納豆と胡麻豆腐を食べられるように
変身しました。
食べられるどころか、今では好物に変わってしまっていますから、
人間何が幸いするかはまったくもって分かりません。



退院後は植物への愛情が


退院後は植物への愛情が自身に醸成されているのを発見して驚いた
ものです。
それまでは花の名前すらロクに知らなかった、のにです。


最近新聞記事で拝見した小野武男さんのラン科の希少植物「クマガ
イソウ」の群落のお話にはいたく感激しました。
花を見て素直に美しいと感じる心を50代半ばにして初めて知っただけ
に、網膜色素変性症で視力を失って、美しいクマガイソウを見られな
くなってしまった小野武男さんの心情はいかばかりか、とお察しした
のです。


それでも小野武男さんは、頭の中に焼きついたクマガイソウの美しさ
は決して色褪せることなく、鮮やかに残っているとおっしゃっていま
す。


人間の気持ちや記憶は映像や画像、音などでなくとも鮮明に脳内に
残されています。
希少群落だけに余計に残念な気も致しますが、希少植物でなくとも
きっと小野武男さんは大切に生育されていただろうと思います。


私も退院後は自宅の庭で季節の花々を楽しむようになりました。


●参考記事  クマガイソウ再び花を






 

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