クチナシの果実から抽出したクロセチン
先日このブログで書きましたメーリングリストでの論争はまだ活発に
続いています。
参加者は基本的に患者さんかその家族までですから、双方の言い分が
身に沁みて分かるのですが、病苦と闘うということはこういう面でも
波紋を広げるものなのだなあ、とつくづく思います。
網膜色素変性症に限らず脳梗塞でもそうですが、重篤な障害を残す
疾患に罹れば患者さんだけではなく、家族や周りの人の協力や理解
なしでは生活が立ち行かなくなってしまうことは少なくありません。
それだけにたとえ僅かでも症状の改善の見込みがありそうなものには、
想像以上の真剣さで患者さんたちが熱い視線と興味を示します。
其れゆえの激論も止むを得ないところもあるのですが、あいだに入る
立場の人の苦労は計り知れません。
病気に立ち向かうということは考える以上に労力を要するものです。
さて、網膜色素変性症の症状改善に関してまた新しい光明が報じら
れました。
理研ビタミンが、岐阜薬科大学の生体機能解析学大講座 薬効解析
学研究室の原英彰教授との共同研究で、クチナシの果実から抽出し
たクロセチンが、光による眼の障害を抑制する効果があることを
試験で確認したことを発表したのです。
植物や果実の力で症状を改善
網膜色素変性症では一時的な症状の改善に効果があるといわれる薬の
アダプチノールが有名です。
アダプチノール視野の改善や暗順応に効果があるとされていますが
、原材料は植物のマリーゴールドから抽出されています。
今回の発表では、眼科医の協力に基づいて実施されたヒト臨床試験
に於いて、クチナシの果実から抽出されたクロセチンが、目の疲れ
を緩和する作用があることが確認されているようです
クロセチンの投与の結果、視細胞の萎縮と細胞死が抑制されたという
ことですから、たとえば予防的な処方以外にも、ダメージを受けた網
膜の症状改善にも効果がある可能性も期待出来そうです。
視覚には光は不可欠ですが、反面眼の網膜にダメージを与えること
はいうまでもありません。
光によるダメージの蓄積が、網膜障害に大きく影響することは数多
くの医師が認めています。
現在の段階では網膜保護や予防的な観点からの活用がもっとも実用化
が近いようですが、植物や果実の力で症状を改善出来る可能性が示唆
されたことだけでも朗報だと思いました。




