網膜の機能を回復する方法は?
網膜色素変性症に苦しむ患者さんの最大の悩みは何と申しましても
失明の不安と恐怖だと思います。
私自身は夜盲症と若干の視野狭窄、それにごく軽度の色覚異常の
症状で、現在のところは眼科医から失明の危険や全盲状態への準備
などの指示はありませんが、これとていつ何時症状が急進行して
光を失う可能性は誰にも予測は不可能です。
現在の医学では一旦失明してしまえば二度と視力を回復すること
は出来ません。
網膜色素変性症の患者さんのあいだではかなり有名な中国北京での
外科手術での治療でも、軽度であれば症状の好転や改善は大いに期待
出来るものの、症状が進行していたり失明状態ならば、現状維持も
改善も全く手立てはないとしています。
現在代替的な方法で視力を回復する方法は、ハイテク技術の急速な
進歩と相俟って急ピッチで実験や臨床が進められています。
網膜の機能が失われていても、網膜から脳への神経伝達経路や脳内で
画像や映像を認識する能力は温存されていることがほとんどである為、
外界の映像をハイテク技術でとらえて電気信号に変換して視力障害者
の脳内で映像認識させる方法はすでに実験の段階から実用化へとステ
ップが進捗しています。
おそらくはこの網膜の代替方法がもっとも視力回復の道としては、
実用化が早いと思われますが、網膜色素変性症の解明と並んで、一番
患者さんが望んでいるのは、網膜そのものの機能を回復する方法でし
ょう。
実用化は思いのほか早く訪れるのかも
網膜の再生に関しては、遺伝子の研究と関連して進められているもの
が多いのですが、昨年東北大学の国際高等研究教育機構の富田浩史
准教授らの研究グループが成功した、失明ラットがほぼ正常に近い
視覚を回復したというニュースが、最大の希望の光でしょう。
緑藻に光を感じる遺伝子があることからスタートしたこの研究、こ
の緑藻遺伝子を組み込んだラットを一旦失明させて実験した結果、
正常なラットとほぼ同等の視覚に回復したというものです。
この緑藻遺伝子の研究が進めば、遺伝子を注入して視力を回復
させる治療法の可能性が大きく開かれます。
また網膜色素変性症ばかりでなく、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、
緑内障などで失明している年間16000人の視覚障害者をも救える
道が開けてきます。
一朝一夕には実用化とはならないでしょうが、研究グループでは、
ラットに続いて猿を使った実験へとステップアップしていくそうで、
実用化は思いのほか早く訪れるのかもしれませんね。
少なくとも網膜色素変性症の患者さんたちが心配する子供や孫への
遺伝や影響の面でいえば、孫子の時代には間違いなく難病では
なくなっていると思われます。




