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夜間の車の運転が怖くなる

食生活の変化と網膜色素変性症

これでも過去には夜間の自動車の運転も決して苦ではない時期が長く続いておりました。苦ではないどころか、仕事の疲れを癒したり、あてもなくクルマを一人夜間に走らせるのは、むしろ好きであった方だと思います。喫煙の習慣もありましたので煙草をくゆらせながらあの道この道ずいぶん走り回っていたものです。

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もちろん暗いところが見え難いことは重々承知しておりましたが、取り立てて知らない道路でも怖さを感じないほどでしたから、今から考えるとかなり暗いところも見えていたんでしょう。煙草は脳梗塞を発症したことが契機となって禁煙することになりました。飲酒も口をぬらす程度の脳梗塞に差し支えのない量に激減しています。食生活の劇的な変化がありましたが、網膜色素変性症への効果となると、なんら変わったことは起きていないようです。

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あてのない夢想を巡らせていた

眩しさに関しても以前は自分の判断ですが今よりは強かったように感じています。自動車の運転をしていても今ほど対向車のライトを眩しくは感じていなかったようです。もっとも過去では自分が網膜色素変性症であることを知りませんでしたので、当然暗いところが見難くなるのが進行したり、眩しさがどんどんひどくなるとは予想すらしていません。

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それどころか将来的には自分の近視も乱視も鳥目も手術なりコンタクトレンズなりの技術で治るかもしれないと、あてのない夢想を巡らせていたくらいです。ヘッドライトが照射されている限りにおいてはそんなに不自由を感じていなかったようですし、夜間の運転に恐れを抱いたこともありませんでした。

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ずっと網膜色素変性症に気付かずにいたせいもありますが、徐々に夜間の運転に自信がなくなってきたのも、単に年齢による視力の低下や反射神経の劣化が原因だろうと自分に言い聞かせておりました。じわじわと網膜色素変性症が進行していたものと思われますが、実は決定的に悪くなっていることを確信したのは、網膜色素変性症の診断が出るホンの3年ほど前のことでした。

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二乗倍に見え難くなってしまう

ある雨の夜でした。アスファルトの反射が雨と混じって風景の色を滲ませてしまいます。右目に視力が極端に悪い私は元より距離感の把握には自信がありませんでしたが、雨の夜が重なってしまうと倍数ではなく二乗倍に見え難くなってしまうようでした。

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現在ではもちろん夜間の自動車の運転はいたしません。昼間であればさほど問題なく運転できるのですが、今後視野狭窄や視力低下が進行すれば遠からず諦めなくてはならなくなるでしょう。加齢による運動神経や反射神経の衰えよりも、やはり網膜色素編成症の影響の方が数倍恐ろしくもあります。

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発病を知らない時分には暗視スコープに大変な興味がありました。赤外線などで暗いところを見えるようにする、主に軍事的な必要から開発された器具ですが、真っ暗なところでも昼間のように見通せるその性能に思わずため息が出たものです。どうにかしてターミネーターのような装備から、サングラス程度のものにはならないものかしらと渇望しておりましたが、自身の病状はそんなものでは補えない可能性のあることにガッカリしてしまいました。

 

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